真魚八重子

イノセンツの真魚八重子のネタバレレビュー・内容・結末

イノセンツ(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

北欧発、子どもたちだけによるサイキックスリラー。
舞台は集合住宅。引っ越してきた4人家族。二人の娘は姉アンナが自閉症、妹のイダはアンナが優先される家庭でちょっと味噌っかす。
イダが一人で遊んでいると、ベンという少年に声をかけられ仲良くなる。イダもベンも地元の子どもたちのスポーツに加わりたいが、露骨にハブられる。
アンナには尋常性白斑のあるアイシャという少女が接触してくる。どうやらテレパシーで彼女たちは交流を持っているらしい。じつはベンもテレパシーの能力があり、彼らは言葉を飛ばす遊びで親しくなっていく。

しかし、イダはベンの性格上の残忍性に気づいていく。彼の超能力は人を操ることができ、他人を使って邪魔者を傷つけるという狂暴さを発揮し始める。

彼らは遊ぶうちに能力をより開花させていき、それぞれが強力なサイキックになっていく。ただし微妙に能力の種類は分かれている。親に言っても信じてもらえない出来事ゆえに、イダたちは自分たちで解決していこうとする。死を賭けた闘いなだけに、子どもが引き受けるのは荷が重すぎてつらい。

猫に暴力を振るうので、個人的にはアウトな映画。子どもが殺されるのも、ヨアキム・トリアーの脚本を書いていた人だけに、ほんとに残忍で趣味が悪いと思った。ただ、自己犠牲を払う子どもの使命感が痛ましくて崇高なので、ダメだとは言えない作品。
真魚八重子

真魚八重子