いつもいっちゃん

イノセンツのいつもいっちゃんのレビュー・感想・評価

イノセンツ(2021年製作の映画)
5.0
衝撃作。
「わたしは最悪。」の脚本、エスキル・フォクトが監督した北欧サイキックスリラーということで楽しみにしていました。

子供とサイキックが生み出す新感覚なスリラーでした。
超能力を持つ3人の子供と、1人の少女。
面白半分で能力を使い始めていくが、、、
冒頭から子供の残酷な部分や無邪気さが映され、いつしか狂気じみてくる。
自己防衛故の子供が大人につく嘘が、展開にリアリティを持たせていたように感じました。
終始不穏で、今年のどのホラーよりもヒヤヒヤする感覚。
子供の倫理観が未完成だからこその際限の無さが観ていてドキドキさせられました。
もうミミズのシークエンスから猫に標的が向く瞬間まで、子供の恐ろしい部分を目を覆いたくなるようなショッキングな描写で映していました。
そして何より大人の見えていない所での出来事なので、より不安定な心理状況が存在し、術はない状況に。
自閉症の姉の存在も、終盤で映された自我がまた強く印象に残り、サイキック描写としても冴え渡っていました。
とにかく演出が見事でまた観たい。
中々ヘビーでありながら鮮烈。
映画史に残るべき終盤はとてつもない重み。
大傑作。