サラリーマン岡崎

イノセンツのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

イノセンツ(2021年製作の映画)
4.6
無垢だからこそ恐ろしくもなる子供たちのある意味「可能性」を描く本作。

子供たちは悔しさ・イラつき・悲しさなど、
ネガティブな感情の処理方法をコントロールができない。
それをコントロール術を教えるのが大人の役目だが、
それもないと、本当に凶暴と化してしまう。
それが大人の知らないところで、起こってしまうことがこの映画の肝だと思う。

子供は大人の知らないところでいつのまにか育ち、
大人たちの知らない社会が出来上がり、
彼らがもし悪い方に行ったとしても、
その理由は子供達しか知らなかったりする。

今回も子供たちだけの、まさに「対戦」。
まさかの登場人物が最強であり、
中盤でその登場人物が助けに来るシーンはまさにヒーロー。
そして、ラストの対戦も静かでとても品のある戦い。。。
こんな静かな戦闘シーン見たことない。。。
監督がパンフで「たくさんのアイデアを体現できるからホラーを作ることが楽しい」といってたけど、
本当に映画制作が大好きなことが伝わってきた。

そして、監督は「『悪』を子供達が認識することが重要」とも言っていた。
教えられるのではなく、自分自身で感じることで、物事の良し悪しをしっかり理解する、
だからこそ、子供だけの世界の体験は重要、でも、下手すると本当の『悪』に染まることをこの映画は伝えている。

そもそも、こんな小さい子供たちの戦い、実写で観るの初めてだわ…