きょう

イノセンツのきょうのレビュー・感想・評価

イノセンツ(2021年製作の映画)
3.0
延々と続く陰鬱さ◎
張り詰め続ける緊張感◎
子役達の演技◎

子供達だけの静かなる超能力バトル。
無垢ゆえの残酷さと、イタズラから暴力への変遷、悪意を学んでいく混乱が描かれていた。

本当に悪しきは子供か、歪んだ認識や相談もできないような環境を作り出した大人かを考えさせられる。

全体的にテンションの起伏や派手さは薄いが、暖色/寒色のライティングの使い分け、団地と森による理性の対比が面白く、ポスタービジュアルにもある上下逆さのカットも印象的。(エンドロールも下から上に流れる形式だった)

個人的にはビジュアル面で脳裏に焼き付くようなもう一歩パンチの効いた描写があるともっと好みだった。

あとカタルシスに欠ける理由は根本的な部分が何も解決していないからで、これは意図的に思える。
障害の回復に中途半端に希望が持ててしまった主人公姉妹の家庭が抱える問題や、ラストバトルで観戦者だった子供達(イノセンツ)。無邪気が邪悪に傾いた時にまた事件は繰り返されるのかもしれない。
きょう

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