Toshiko

イノセンツのToshikoのネタバレレビュー・内容・結末

イノセンツ(2021年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

『わたしは最悪。』の脚本家が監督した作品でもあるし、フライヤーも印象的だし、気になっていたので、夏休みに入って初日に鑑賞。
ポジティブに捉えると、お姉ちゃん最強だったのは良かったし、妹がお姉ちゃんを見直して助けを求めたり、力を合わせて超能力少年に立ち向かうラストは悪くない。
ただ、猫の扱いが酷すぎるのと(表現として問題あると思う!)、作品として何をいちばん語りかけたかったのかがよくわからなかった、かも。

ノルウェーは2011年7月にブレイビクによる大量テロ事件を経験していることがあって、あれはかの国にとっては前代未聞の大量殺人だったし、外国人や移民によるものではない、まさに生粋のノルウェー国民による犯罪だったから(『ウトヤ、7月22日』として映画化されている)、誰もが大きなショックを受けたはず。本作を観ながらそんなことを連想した。
健全に育っているはずの子どもたちが、なぜ傷つけたい殺したいといった恐ろしい考えを持つようになるのか。子どもたちは大人の知らないところで様々に悩み、時には心を病んだり、行き過ぎた行動に出たりもするけど、それらは何に起因しているのか、そういうことに注意を向けた作品なのかもしれないな。社会保障が行き届き、平和であることを大切にしている国民性だということもあり、この先いったいどうすればいいのか?という気分にはなりそうですもんね。

ノルウェーの団地、建物の作り(鍵は中から開けれるけど、外からは開かないとか)、空の色、樹々の色、どれもまさにノルウェーで十分満喫しました。
ノルウェー語も久しぶりに聴きました。
Toshiko

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