このレビューはネタバレを含みます
大友克洋の童夢にインスパイアされた作品と聞いて、童夢を予習した上で見に行った。クレジットする基準ってよくわからないけど、例えば12モンキーズでラ・ジュテがクレジットされてたことを考えると、しなくていいのかな?と思う程度には似てると感じた。
子供は平然と虫をいじめて観察したり殺したりするけど、そんな無邪気な残酷さを持ち合わせた子供たちが超能力を使えるようになったらどうなってしまうん?という話。劇中では虫どころではないもふもふしたやつが殺されていた。
閉ざされた団地という社会、さらにその中の子供たちだけの社会の閉塞感と、北欧の冷たく澱んだ雰囲気が合わさって、静けさが心地よい映画だった。実際の北欧がどうだかは知らないけど北欧の映画ってこういう雰囲気が多い気がする。
人の怨念はもちろんのこと、恨みに限らず情念を感じるホラーはあまり好きじゃないので、ウェットではないのも好きポイント。自閉症の姉をつねるといった不満を吐き出す行為はあったけど、子供はドライ。
大人には子供の世界で起きていることが見えない。こういうことはどこかで起きていて、子供以外気づけてないだけなのかも、と思わせられる。子供が持つ独自の世界をもっと覗いてみたいような、みたくないような。(ナルニア国物語は子供だけが体験する世界の話だったっけ。)
私が子供だった頃も、こんな世界を持っていたんだろうか。
映画館で静かにじっくり見れてよかった。
病室のライト、ルイスポールセンだったような気がする。羨ましい。