このレビューはネタバレを含みます
まず映像の色合い構成含めどこを切り取っても良い、簡単に言えばとにかくお洒落なスタイルの映像でした。そのおかげで多少のグロさのある描写も不快感が少なかったです。
結局子供達は親がいなくても成長し自分で決断することができました。しかし、親が何も気づいていないせいでほとんどがベンを基準として殺人で解決という間違えた判断をしています。親の無頓着のせいで子供は間違えた方向で勝手に成長してしまいます。まだ物事の正しい判別が難しい年齢はしっかりとした大人の介入が不可欠という大人への暗示の映画だと感じました。
4人それぞれの考察
ベン・・・とりあえず母には虐待され、転勤族でかついじめもされていると本当に環境下が最悪だという印象でした。ここまで誰からも愛されないと捻くれても無理はないかな、、
仲良くしてる子には傷つけたりしないけど、やっぱり愛を知らない分、友達として「良くない」と伝えても、それをただの否定と捉えてすぐに敵のように認識しちゃって嫌悪感を抱いてしまうベンは可哀想の一言に尽きます。最後まで友達を信じて欲しかった、、
アイーシャ・・・お母さんが割と表面上は優しくしているけど、怖いと言っているのに一緒に寝てくれなかったり、独りよがりに泣いていたり、一般的に想像される見た目に産めなかったからなのか分からないけど愛せないという感じが所々出ていてすごく私は嫌でした。なのに彼女はずっとお母さんの顔色を伺って空気を読んでとにかくありえないくらい優しく大人びた心を持った女の子という印象です。
お母さんが操られて刺してしまった際も操りが解けてもそこまで自分のした事に驚いている様子はなかったし病院もすぐに呼ばないし、結局最後まで愛せなかったのかなと感じました。4人の中で1番不憫かもです。
アナ・・・自閉症で一切話せなかったアナはアイーシャと出会ってからアイーシャの協力のもと話すことができるようになりましたが、結局アイーシャがいなくなってしまった後からは再び話せなくなってしまったので、1番最初に自分の心を理解しようと努力してくれたアイーシャの存在は大きかったのかなと感じました。最後ベンを倒す際に理性のようなものを取り戻しますが、やはりアイーシャとの約束を心のどこかで覚えていたのかなと思います。これから先アナが話せるようになるかは妹のイーダ次第かなあ、、
イーダ・・・イーダもベンのように少しこどもの無邪気さや好奇心の上で残虐なことを数回しましたが、罪悪感はあり後悔もしています。もしかしたらイーダはベンがいなかったらもっと過激なことをしていたかもしれません。イーダに関してはベンという極限に倫理観が崩壊してしまった子がいたからこそ成長できたのかなと思います。