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パラレル・マザーズの010101010101010のレビュー・感想・評価

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)
3.1
隠し通されそうな「歴史」に、自分ごととして抗おうとすること(祖父母をめぐる話)と、
「知らなかったこと」にして隠し通そうかどうか葛藤すること(自らの子供をめぐる話)とが交差する。
(…が、その主題が、ちと分かりにくいか…)。

女性たち(またはセクシャルマイノリティ)の感じる痛みや葛藤を描くのは相変わらず。
そして、その先も決して終わることなく生涯を通じて向き合っていくことになるであろう問題を、いかに抱きしめながらその先を歩んでいくのか…、ということなんだと思う。
簡単な話じゃない。
これは「救済」の話ではない。「救済の不可能性」と、それでもいかに自らの中で(そしてもちろん他者とも)誠実に、最善を尽くしながら「和解」しようとしながら生きていくのか、ということ。
その姿に、清々しさを覚えるのだ。

ペネロペ・クルスによる身を切るような演技。
失礼ながら、これだけキレイなんだから、別に「正当な」俳優にならずとも悠々自適にセレブ道を歩めるだろうに、そうはならないところが偉すぎる。
実にいい俳優だなぁと思う。