Sasada

死刑にいたる病のSasadaのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
4.1
阿部サダヲ演じるサイコパスの手口を“追体験”する映画。

彼から手紙を受け取り、真相究明に乗り出す岡田健史演じる大学生が、いとも簡単にほだされて知らず知らずに「決めさせられる」姿に背筋が寒くなる。

「決めて」と言葉にされたならまだ気づけるかもしれない。でも、自らが選び取ったと勘違いした者はグングン主体的に突き進んでしまう。もう少しで“あちら”に堕ちてしまう。
私たちは私たちが思っているほど自由に「決める」ことはできない。構造が語る映画なのが素晴らしい。

チラリと見切れるオレンジジュース、面会時に重なる2つの顔、震えてセパレートするその声。
ストーリーだけでなくその見せ方もリッチ。

(ただあらゆるキャラクターに虐待を背負わせ、そこに収斂するのは果たして適切か、、とは思う)

あとあるキャラクター周りだけ途中まで「?」だったんですが、最後まで見ればそれも解決。フィジカルに痛い描写があるんでそこはうっとなりつつ、それでも面白かったです。
Sasada

Sasada