ぶらぴーにょ

死刑にいたる病のぶらぴーにょのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.0
白石和彌ワールド全開でとても満足です。
序盤から目を覆うような描写の連続で期待が上がります。
死刑囚による捜査依頼となると朝倉禄郎のベラドンナを思い出しますが、警察ではなく元獲物に依頼する。
緊張感もなく日常を送っている人々に嫌気が指すというのもジグソーに近いものがある。

人間関係が若干複雑というか自白によるものが多いので、鑑賞後にあれこれ想像させることを前提にしたストーリーとも言える。
明らかに怪しい長髪の男、ヒトコワ要員の父親、雅也に協力的な弁護士、タイミングよく通行する自転車など不自然な描写が多いが、大和のキャラが立っているためそこまで気にならない。
問題の灯里だが、彼らは大学3年なのか??就活相談から察するに。
3年だとすると今更同級生と再会というのも無理やり感が。その後の2人の距離の詰め方も唐突だな~。と思ったらラストでね…。てか捜査資料と手紙を持ち歩いてるってどういうことよ!!

映像は実に丁寧に作られており、明らかに作り物っぽい爪はさておいて、若い頃の大和のCGとボール遊びする子供たちの中にしっかりと写りこんでいた長髪の少年。
3パターンの連れ去り現場、灯里の艶めかしいカメラワーク、大和の心理的距離を演出する面会室。

白石監督には今後もこういうエグイのをお願いしたい。