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ある男のsii6orのネタバレレビュー・内容・結末

ある男(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「私が〇〇ってどうしてわかるんです?私そんな〇〇っぽい顔してます?私だけどうして戸籍変えてないって思うんですか?あほやなぁ」の面会の場面が印象的だった

在日として差別されることには怒るのに、死刑囚のことは死刑囚としてしか見ない(映画としては当然だが)弁護士について、自分は単眼的に見られたら不快がるのに他人のことはそう見てしまうのよくあるなあと思った

親から受け継いだ不名誉を名前や場所を変えていくことで上書きして生きる主人公について、スケールは違うがsnsなどでハンドルネームを多用し、その場その場でコロコロと、新しい名前で新しい場所で新しい自分にという感覚で変えていく自分に似たものを感じた。それと対照に家庭事情で何度も苗字が変わりながらも妹には俺が事実を話すと言う息子の強さが印象的だった

最後のシーン、親から子への受け継ぎをポジティブに語り、自分の人生はもう手放したくないと言う(が不倫されている)弁護士が名前を名乗る直前に切れるように終わるのがすごく良い
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