指の小指

ある男の指の小指のレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
3.5
2023年の日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。「市子」鑑賞後に観始めたのですが、図らずも同じ様なテーマ性の作品が続きました。

前の夫と離婚し、実家の宮崎に帰省した里枝はふとしたことから“谷口大祐”という男と知り合う。次第に距離が縮まり、再婚して幸せな生活を送っていたが、不慮の事故により大祐は他界。翌年訪れて来た大祐の兄が遺影を見ると、それは大祐とは全くの別人だったことが分かるー。

窪田正孝さん、妻夫木聡さん、各俳優陣の好演も光っていましたが、何と言っても安藤サクラさんが良かった。説明は難しいんだけれど、何気ないシーンに目が離せなくなるんですよね。

今、目の前にいる人物は本当にその人なのか。仮にそれが本人で数年連れ添ってきた相手だったとしても、全ての内面は知ることが出来ないのだろう。車の窓に映る自分の顔、暗いテレビ画面に映る自分の顔、ボヤけたその輪郭がその眼にどう映るのかは本人にしか分からない。

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