このレビューはネタバレを含みます
〜邦画食わず嫌いやめようキャンペーン中〜
血縁者から受け継いでしまったバックグラウンドをどうすれば断ち切ることが出来るか。
殺人鬼の息子と有名旅館の次男坊は戸籍を塗り替えることで他人の人生を得た。
では在日三世の自分(弁護士)はどうだ?日本国籍も取得し、美人の妻にかわいい息子がいる裕福で完璧な生活を勝ち取ったというのに、未だ呪いのように付きまとう劣等感。在日ヘイトへの苛立ち。
前半は殺人鬼の息子だった男(名前と本人が一致しない)、後半は彼の身元を追う弁護士を主人公にサスペンス形式で描く。
何気ない会話が全体のテーマに繋がっていたり、2度美味しい的作品。
バラエティーに富んだ登場人物がストーリーを深く広くしてました。
とにかくラストシーンが秀悦で😂全てがこれのためかと思うほど(笑)
妻夫木聡(弁護士)が今回のことで自ら蓋をしてきた劣等感を再認識し、妻の不倫にも気づいてしまい、見知らぬ土地のバーでつい他人になりすましてしまって、あっ!ってなったとこ。
追いかけてるようで当事者だったり、社会的に成功しているとか関係なかったり。人に言えない心の底に渦巻いてるやつをほじくり出してこねくり回す柄本明。おもろいなぁ。