れーちゃん

さがすのれーちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

さがす(2022年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

事実は小説より奇なり

スーパーで20円が足りずカップ味噌汁を万引きしてしまった男、原田智(佐藤二朗)。父親と2人で暮らしているしっかり者の娘、楓が父を引き取った帰りのこと、父は突然「連続殺人犯を見たんだ」と言い出す。
「犯人を捕まえたら、300万円の懸賞金貰えるで」というが、楓はまたいつもの冗談か何かでしょ。と言い、眠りにつく。
翌朝起きたら父の姿はなく、いつになっても父は帰ってこない。楓は警察にも相談するが一蹴されてしまう。

父の勤め先である工事現場に行くと、そこには原田智と名乗る指名手配犯によく似た若い男がいた。楓は、父に何かあったのではないか?と血眼になって父を探しにいく。。

ストーリーの展開は面白かったが、ところどころ詰めの甘さや謎の演出が多く、特に果林島の老人家でのあのシーンにげんなりした。

連続殺人犯として指名手配されている、山内照巳がなぜ、猟奇的な殺人を犯すのか。

見知らぬ老人宅の隠し扉の中に隠されてた無数のAVやアダルトグッズを用いて高まらせることで、山内の性癖を明らかにするだなんて無理やりすぎるぜ。。
『岬の兄弟』、『そこにいた男』でもそうであったが、監督はAVや風俗のような世界観が好きなのだろうか?すこし笑えるようなシーンにしたいのだろうけど、笑えないぜ。。。(どの作品にも園子温監督のオマージュはありそうと感じている)

とにかく、ちょっとその辺りから安っぽい作品に見えてしまったのが残念だった。
もう少し作り込めたような気もした。

父が失踪した経緯の描き方と、山内の死を持って簡単に話を終えず、殺されかけながらも父のためにと犯人を追い続ける勇敢な娘・楓がこの事件を解決に導くまでを最後まできちんと描き切ったことはすごくよかったと思う。

ラストのシーンで涙を流しながら玉無しで卓球のラリーを続ける姿は、父と娘が互いのことを知っていたようで知らなかった、その無念さや2人間にあった心の距離を描いていたように感じた。
れーちゃん

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