いかすみ

幻滅のいかすみのネタバレレビュー・内容・結末

幻滅(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます


博多駅に着いた瞬間
超ダッシュで中洲大洋映画劇場へ。
見れてよかった…!!
もちろん主役のバンジャマンもかっこいいんだけど、登場以降ドランに釘付けだった…ドランの流し目が好きすぎる…


映画の感想。
幻滅。幻滅て、強い言葉だなと思った。
それはパリ、貴族階級、文学の世界に
憧れていたリュシアンの失われた幻想のことだけじゃなく、かつての恋人だったルイーズからリュシアンへの幻滅だったり、はたまたその逆方向の幻滅だったり、一つ一つ夢を抱いていたものが泡のように消えていくような、映画の節々でそんな想いを感じた。

あと役者陣もとてもハマってた。
主役の脇を固める役者たちの貫禄がありすぎて、リュシアンとコラリーの純粋さ、可愛らしさ、愚かしさがすごく際立ってた。

それでもコラリーの「あなたの気品が羨ましい。でも私への援助は必要ありません。お金は働いて得るものだから。」って言葉はめっちゃかっこよかった。



ー幻滅し、希望は失われて、そこから呼吸を始める。



リュシアンの友人としてずっと近くにいたナタンは、現実はこんなものだと受け入れた上で、それでも貴族たちにも民衆たちにも顔が効いて、自らが理想とする文学を極めていた。
失った幻想を一番体現していた人がそばにいたのに、リュシアンはそれに気づけなかった。


人生…。
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