みむさん

ロスト・ドーターのみむさんのレビュー・感想・評価

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)
3.8
マギー・ギレンホール初監督作、夫のピーター・サースガードやっぱり出てた。

元は小説らしい。この題材を映画化したんだなぁと感心してしまった。扱いが難しいというか、見ている側も共感も反対もできず、好感とも嫌悪ともどちらとも割りきれない居心地の悪さがあった(誉め)。

若くして子供を産み夢追い働きながら育てていたレダを回想する現在のレダの目の前には、かつて自身が経験したような怒濤の子育てに苦労する女性の姿が。

リゾート地で一人を満喫しているレダに、過去にしたことがフラッシュバックでよぎる。

自分の子供は誰よりも可愛く、愛情は当然注ぐ、母親とはそういうものだ、そういう一般的な母親像は本人たちも知っているだろうが、その思いや理想像に押し潰され、うまくできないことに苛立ちを感じたりすることもあるだろう。

かといってあまり堂々と打ち明けられるような話でもなく、モヤモヤを抱えたまま、しんどいまま時間が過ぎていく。

母性のすばらしさはわかっていても自分はそれが欠如してるのではないかと悩む、そんな母親/女性の姿を生々しく描いていたので、先述した通り居心地の悪さを感じてしまう。

演じたオリヴィア・コールマンの演技も絶妙すぎるので余計に。
レダの若い頃を演じたのは「ワイルド・ローズ」がとても印象的だったジェシー・バックリー。ここでは子供を愛しながらも子育てに悩み続け大きな決断をする女性を好演。
ダコタ・ジョンソンが演じるニーナも時おり見せる表情やなんとか張り詰めていた気持ちが崩れて心情吐露する姿がリアルで生々しかった。

女性の姿が印象に残りまくる映画。