Maoryu002

ロスト・ドーターのMaoryu002のレビュー・感想・評価

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)
3.1
ギリシャの海辺へバカンスに来たレダ(オリヴィア・コールマン/ジェシー・バックリー)はビーチでニーナ(ダコタ・ジョンソン)と娘を見かけ、自分の過去を思い起こす。かつて若くして2人の娘を持ったレダは、母親であることを放棄した過去を引きずり続けていた。

マギー・ギレンホールの初監督作品で、サスペンスフルな雰囲気が流れるが、とにかく主演のオリビア・コールマンありきの映画に感じた。

冒頭、海に浮かぶ彼女が中年でも “女” であることを強調し、次に大家族の母親たちを登場させるところで作品のテーマが見えてくる。

レダの行動は許せん!と思う反面、母親の役割と自分の望む人生の狭間で苦しむ女性たちの苦しみが伝わってくるところに、この映画の価値があるんだろう。
“私には母性がない” という告白だけでなく、子供を捨てたときのことを “最高だった” と語るのが衝撃だった。

ただ、映画として面白いかというと面白くはないし、人物のアップをやたら多用する作りはちょっと疲れた。
それに、会って間もない相手に “好きに生きるべき” って言うのは無責任でしょ。

そして、人形から這い出る虫に、腐った果物と思わせぶりな仕掛けは、それぞれ過去の過ちの清算や、子供たちとの絆の再生を表現しているようには感じたけど、すべては理解できなかった。

コールマンだけでなく、「ワイルド・ローズ」のジェシー・バックリーの渾身の演技も見ものだ。
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