シュウ

パワー・オブ・ザ・ドッグのシュウのレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
4.0
フォロワーさんが総じて高評価だったので視聴

いやー、凄い映画

終始不穏な空気のまま、どこに連れて行かれるか全くわからない状態で話しが進んでいく

西部劇を思わせる(実際には1900年代だけど)舞台で、
いかにもマッチョイズムの典型のような男を主人公に据えながらも、
周囲の人々の捩れた感情を終始不穏なトーンで、
説明少なに描いて行く

想像に委ねられる部分が大きいが、
かなり色んな関係性、感情が拗れて入り乱れており、
人間の複雑さを複雑なままに閉じ込めたような作品

ただよくよく考えてみると人間は本来複雑な存在
男と女、兄弟、親子
それぞれが一つの鋳型に閉じ込められるわけはない

そんな人間のナマを、
愛情という最も厄介な感情を基軸に描いた秀作

※余談
先日見たクロエジャオ監督のエターナルズでも感じたが、
優れた女性監督の台頭により多様性(と言ってしまうとありかたりな言葉になってしまうが)が映画という文化の中に今までと違った形で入り込んできて、
社会のフェーズが変わってきているのを凄く感じる

そして、その先端の流れにチューニングが追いついていない自分に対して、
「既存の枠にそうとう捉われてるなー」という危機感を覚える今日この頃
シュウ

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