musicboxrock

パワー・オブ・ザ・ドッグのmusicboxrockのレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
3.8
アカデミー賞前に観なきゃと観賞。

なるほど〜、そういうお話だったのね。
西部が舞台の西部劇、と思いきや人間の奥深い感情を抉るサスペンスって感じ。

終始不穏な雰囲気で、衝撃のラストも相まってみ終わった後の爽快とは無縁の何とも居心地の悪い怖さが残る映画。
でも、完全にそれを狙って作ってますね。まさに映画に取り込まれた感覚。

そして、やはり主役4人(というか登場人物はほぼこの4人)の演技が素晴らしい。
ストレンジ様ことカンバーバッチの憎らしけど影のある深みの演技、感情の浮き沈みを絶妙に演じたキルスティン・ダンストの演技。なんと言っても、ローズの息子ピーター演じたコディ・スミット=マクフィーの演技が特に凄い。観終わった後、思い返してゾクゾク怖くなってます。

後半からラストにかけての展開は凄かったですね。どこまで意図的でどこまで違うのか。誰と誰が共謀してるのかしてないのか。ラストのピーターの部屋でのシーンがとにかく意味深で色々考えちゃいます。

MCU的なストーリーに浸り切ってる身体にはある意味刺激的な映画的な映画。
好き嫌いとは別次元に映画として凄いと思う。
アカデミー賞もうすぐだけど、これは席巻しそうな予感。
musicboxrock

musicboxrock