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パワー・オブ・ザ・ドッグのjellyfishのネタバレレビュー・内容・結末

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

あらすじを読んでもイマイチどんな映画なのか分からなかった。
やたら弟の存在を気にするフィル
育ての親のことを嬉しそうに話すフィル
弟の奥さんを目の敵にするフィル
これはもしや…?フィルは同性愛者…?

あーなるほど、この西部開拓時代に同性愛者であることの生きずらさを伝えたい映画なのね

それだけじゃなかった…
まず、自身の性的嗜好を徹底的に隠すために“男らしさ”と言うガチガチの鎧をまとったベネディクト・カンバーバッチの醸し出す雰囲気が凄い。
ふとした瞬間に鎧がうっとうしくなり、脱ぎ捨てたくなるような表情が切ない。
次に、常に側にいてくれない夫に苛立ち、義実家で窮屈な思いをするキルスティン・ダンストが徐々に精神を病んでいくさまが上手い。
そして、フィルの“秘密”を利用しあの計画を実行したピーターの冷酷さと言ったら!
いや、私はピーターも同性愛者なんじゃないか…?と思ったんですけど、どうなんでしょう?
フィルとピーターの交流は、ほんとに繊細な同性同士の“愛”あってこそだと思えて。
だからこそ、それを逆手に取ったあの計画はやるせない。

夫婦、兄弟、親子、師弟
同性愛者に焦点を当てた映画だと思ったらとんでもなく深い沼にどっぷり浸かってしまいました。

最後に!
ジョージ!もっとしっかり生きろ!笑
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