らっとちゃん

恋い焦れ歌えのらっとちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

恋い焦れ歌え(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ハハノシキュウがラップ監修で、BLの実写化。くらいの認識で観に行ったら映画として骨太過ぎて今年一番前のめりで観てしまった。(そもそも実写化とは違うっぽいし)
現時点で人生マイベストのライチ〜以来の衝撃的映画体験。

題材がたぶん社会的に食べ合わせが悪い(HIPHOP文化とセクシャルマイノリティとか、不特定多数に観られる映画というコンテンツと暴力性とか、BLという主に女性が楽しむ娯楽と社会的弱者という現実とか)のを嗜好として無意識的に娯楽の形にしてるのか、抜き身のナイフとして突き付けてきてるのかどっちなのかが映画観ただけだと絶対こう!って判断できない、という絶妙なバランス。
娯楽の為の過激さなのか、伝える為に向けた本物のナイフなのか、それもまた一見判断できないバランス。
だから判断しようと思ってパンフレットを買ったら、はちゃめちゃなサイズ(30cm四方みたいなやつ。とにかく正方形)で帰り道でのわかならさは増した。
まあ、そこまで疑問に思わせるってことは無意識な訳ないし、
監督インタビュー読むとフィクション的なストーリーを現実的に映画に、みたいな思考の記載あるから、なるほどねって感じ。

普段(意識的にでも無意識的にでも)世間からナイフを向けられている人間が、嘆くでも社会的枠組みの中で抵抗するでもなく、自身の中にある人間性や生物性をナイフを向けてくる人間と同じく発露する、みたいな抵抗のエネルギーの形が凄くハハシと親和性あるなーと、元々ハハシからこの作品知った人間としては思いました。
ハハシにラップ監修頼みそう〜ってのは開始すぐにわかる。

俳優陣もお金の為の配役がなくて、観ていて余計に目につくところがなくて良い。
遠藤さん初めて知ったけど、ラップ上手くて演技上手くてこんなにシュッとした方いるんですね。


「BL」ってラベリングは言葉が軽くて、完全に余計。って思うくらいの娯楽とは遠いところにある映画だった。クラファンしてくれた人ありがとう〜!!


(火つけるシーンがアップステアーズラウンジのことを思い出したけど、それだけどうなんかな?)