叡福寺清子

コンペティションの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

コンペティション(2021年製作の映画)
3.2
よござんすか,私は俗物なんでございますよ.ですから,本作みたいな芸術の香りがほのかに漂ってくるような作品は苦手なんでございますよ.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.
『人間,最後は名誉欲』は,フランシスコ・ザビエル最後の言葉として有名ですが(よー知りませんけどね),製薬業で巨万の富を得たご老人も例に漏れず,後世に名を残したいということで映画製作に資金を提供いたします.傑作を製作せよ,とのご命令(そうやって傑作が製作できたら誰も苦労しねぇよというツッコミは許可します).
選ばれた今一番勢いのある映画監督ローラ・クエバスさんと名優フェリックス・リベロさんとイバン・トレスさん.本作は3人による現場リハーサルまでの,言ってみればプレ・リハーサルの様子を描いた作品でした.
フェリックスさんとイバンさんの生き様は真逆,演技メソッドも大きく異なります.恋多き破天荒なフェリックスさんと舞台俳優で若手への指導に情熱を注ぐ生真面目イバンさん.海外ロケもフェリックスさんは当然ファーストクラス,反対にイバンさんは特別扱いされたくないと一番安い席をご所望.二人の曲者相手に,それを凌駕する変人ローラ監督.ホントにこんな演技指導するの?と疑問に思う事自体がすでに監督の術中に嵌っているのでしょうか.

とはいえ個人的には何やってんだ,コイツらと唖然と眺める呼延灼でございます.さらには,時々挿入されるTIK TOKでも撮ってんのかと思わせる意味不明ダンスに至っては,睡魔さんが横に忍び寄るにいたります(おっと韻・・・違うか).ただペネロペ・クルスの脇毛ボーボーの時はさすがに刮目してしまいました.あとレズキッスも.