MasaichiYaguchi

モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーンのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.7
独特の世界観の作品で注目されるアナ・リリ・アミリプール監督が、オリジナル脚本で手掛けた長編第3作では、他人を操る特殊能力を持った、エキセントリックでミステリアスな少女モナ・リザの繰り広げる逃走劇が展開する。
ヒロインの少女の名前はモナ・リザだが、決して微笑まない。
12年間も精神病院に隔離されていたが、赤い満月の夜、突如“他人を操る”特殊能力に目覚め、彼女は自由と冒険を求めて施設から逃げ出す。
モナ・リザが辿り着いたのは、サイケデリックな音楽が鳴り響く、刺激と快楽の街ニューオーリンズ。
そこでワケありすぎる人生を送ってきた様々な人々と出会ったモナ・リザは、自らのパワーを発揮し始める。
いったい彼女は何者なのか、まるで月に導かれるように新たな世界を切り開いていく。
モナ・リザを演じたのは、2020年にNetflix配信映画「ザ・コール」に出演し、百想芸術大賞と釜日映画賞で最優秀女優賞を受賞したチョン・ジョンソで、超キュートでパワフルなキャラクターで魅了する。
このモナ・リザを助けながらも利用するシングルマザーのポールダンサー、ボニー・ベルにはケイト・ハドソンが扮し、その息子チャーリーにはエヴァン・ウィッテンが、幼くして人生と母親に怒りを抱え、モナ・リザと美しい絆を結ぶまでを情感深く演じている。
これら主要キャラクター達が、不穏な赤い月が微笑むネオンカラーの街を舞台に、ポップでエキサイティングなお伽噺を繰り広げる。