ケネス•ブラナー監督による自伝的作品。冒頭カラーの都市の俯瞰と、1969年、白黒のベルファストが対照的。主役のジュードの素直さは役柄の上だけでなく、実際に住人から愛されているのが伝わってくる。宗教対立が淡々とした描き方なのはバディの目線だから。100年残る映画だと思う。
久しぶりに「映画」を観たという感覚。娯楽に走りすぎないのに、おじいちゃんとバディの会話にほっこりしてしまう。純粋な子供の意思と関係なく起こる対立は悲しい。最後におばあちゃんが言う”Don’t look back”はアカデミー受賞。子供だからこそ見えていないもの、子供だからこそ見えているもの、描き方が丹念で、人に寄り添うカットに惹かれる。ケネス•ブラナー監督は天才だと思う。自伝的と言いながら感傷的ではなく、見やすい構図に好感が持てる。
人生で一度は観るべき！きっと「自分の一作」になるはずだから。
