北アイルランド紛争に混乱する1960年代後半のベルファストを少年バディの目線で描く、監督ケネス・ブラナーの半自伝的映画。
ほぼ全編白黒なのは、監督の子供時代いつも天気が悪く灰色で、寒かった故郷を思い起こすための演出だそう。確かにアイルランドはいっつも雨が降ってるイメージ。(まぁイギリスもだけど)
監督の意図が分かると、一部カラーになる演出の意味がよく分かった気がする。
無邪気で純粋なバディが愛らしいから、余計に紛争によって生活が一変してしまった怖さとか不自由さが際立ってた。子役たちのお芝居が上手!
私が住んでたレスターが割と散々な言われようで笑った。まぁ田舎ではあるけど、かなり大きな地方都市です!笑
カトリックとプロテスタント問題は日本人には馴染みがないと思うけど、ヘンリー8世とかの時代からずっと繰り返されてきた政治問題で根深い。この北アイルランド紛争も、1998年頃に協定を結ぶまで続いていたし、いまだにいろいろ問題あるから難しい…。
こういう宗教とか政治のゴタゴタに子供たちが巻き込まれたり、人が亡くなっているのは本当に悲しい。
ラストで「あの子と結婚できる?」と聞いたバディへのお父さんの答えが、何事にも通じるとっても大事な答えで素敵だった。バディと同じような子供時代を過ごした監督の想いなんだろうな。
キャストがアイルランド縁の人ばかりなのも良かった。あの独特な抑揚と語尾が上がるアイルランド訛り、個人的にすごく好きだから沢山聴けて嬉しい。
ジェイミー・ドーナンのお父さんぶりも良かったし、お母さんのファッションがめちゃくちゃ好みでした!
歴史的な問題を中心に扱っているけど、良いテンポと音楽と子供たちで上手く中和していて、胸に響く作品でした。