ニタ

チェルノブイリ1986のニタのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ1986(2020年製作の映画)
3.6
今だから観ておこうかという気になった1本。
ロシアのウクライナ侵攻時でもあり、何だか色々考えさせられる。

チェルノブイリ原発事故に男女の物語を絡め、一般人の目線で描かれている本作。
10年ぶりに会った元カノが10歳の子を連れていたら、そりゃおや!?(親w)だろうし、こんな酒ばっかり飲んでる消防士大丈夫か~とか思っていると事故発生。

戦場のような爆発現場の消防士の混乱、病院の惨状はリアルで目を覆いたくなる。後半は貯水タンクの排水弁を手動で開くという超危険な任務に向かう内容で、さながら『ポセイドン・アドベンチャー』のような緊張した潜水シーンが続く(ただし“お湯”!)

序盤、アレクセイとオリガの話は少々間延して感じられたが、子供を挟み、切なさや被爆の恐怖が徐々に増してくる。
多くの人々がある日急に住み慣れた土地を追われる様子は、福島やウクライナを想起させる。

国の為に犠牲となった人々に捧げられた作品なことは明白だが、これだけ年月が流れても当時のソ連の体制を批判するような描写はごく僅かで、踏み込んだ表現は今もなお難しいのかと思わせた。
現在、日々のニュースに、核戦力が臨戦態勢に置かれるかもしれない事態が実際に来るのではと感じてしまう。
絶対にあってはならない。
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