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ちょっと思い出しただけのsheのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.0
ジム・ジャームッシュリスペクトの邦画を観れる日が来るなんて…ちょっと思い出しただけの、愛おしい6年間の記録。そばに置いておきたい気持ちいい〜〜作品。

カップルの日常を描いているだけなのに、逆行していく事で、初見から答え合わせを意識して前のめりで観れる。答え合わせといっても、全力伏線回収!ネタバレダメ絶対!!!みたいな脚本の部分ではなく、身なり、習慣、モノ等の、視覚的な部分。これらの変化に過ぎてしまった時間をより深く感じて、さらにエモーショナルな気持ちになる。
習慣を描くという点は「パターソン」っぽい。照生の朝のルーティーンには、昔は葉が参加してたこともあって、別れた後も習慣は残る(=日常は続いていく)という描き方がとても良かった。朝の体操のメニュー気になる〜
あと、休館中の水族館デート、仕事用タクシーで彼氏送迎等、職権乱用×男女の組み合わせがアツい。背徳感から得られるスリルとエロさが良い。みんなこうゆう悪いことを1回はしてるので(偏見)、自分のを思い出してる人も意外と多いと思う。

そして1番アガッたのが永瀬正敏。ベンチに座ってるのをみて「パターソンで急に現れた日本人!!!」と大興奮した。時間を超越した存在の彼がいることで、映画がちょっとだけファンタジックに仕上がってる。町山さんが「パターソン」の時に永瀬正敏のことを「人間の姿をした神」と表現していたけど、今回もしっかり同じ役割を果たしていて嬉しくなった。神様はベンチがすき。

ジム・ジャームッシュ程ゆるくないけど、な〜んかず〜っと心地良い〜〜のは一緒。カッコいいウィノナライダーに憧れながら、明日も普通の会社員として働いて、人並みの人生を過ごすんだろうな〜帰り道は当たり前にナイトオンザプラネット鬼リピ。「夏始まりましたわ」これから使おう。
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