ちろる

ちょっと思い出しただけのちろるのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.1
別れた今も、ところどころで思い出す恋のかけら

一緒に食べたかったバースデーケーキ
一緒に育てたかった猫

懐かしい光の中でダンスをしていたあの日が

「ナイトオンザプラネット」のウィノナ・ライダーみたいに色んな人の色んな人生を少しずつ見届けながら、その端っこで自分のあの頃を見つめてる。

7月26日が忘れられないでいる
何度も何度も繰り返していくこの日、いつのまにかずっと先に進んでしまった君。
立ち止まった僕。

あの時もし僕が君にちゃんとした言葉を投げかけていたら、君と共に未来に進めたのだろうか?

クリープハイプの歌詞が物語を支配して、伊藤沙莉さんの圧倒的ヒロイン感が心地よくて、友達のような気持ちで2人の恋を見届けていた。

ちょっと思い出しただけ

だけど、一旦こぼしたらじんわりと広がる布の染みのように、歯止めが効かないほどにその子との幸せな日々が蘇ってくる。
どうこうする気はないけど、あまりの生々しい感情の昂りに、少し背徳感すら生まれて・・・

きっと、誰にでもひとつはある、そんな過去をリアルに刺激する物語。
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