田中泯の踊りは、と書き出すと「僕の踊りじゃない!踊りは所有できない!」と諭されそうだけど、敢えて言うならば、言葉で解釈したり説明したりする気の失せるところがおもしろいと思ってきました。文学的なピナ・バウシュや技巧的なリル・バックとかと全然違う。何が凄いと感じるか説明がつかないのになぜかそれが何ものであるか答えを掴んでいるかのように思えるのが不思議だったけど、そうか、彼と彼の踊りを見る僕との間にたち「踊り」が立ち現れるからなのか。うん、でもなんかその説明も違う気がする。
ドキュメンタリーの体裁を踏襲すればこの長さでもよかったと思うけど、物語的な脚本と編集を加えてしまったせいか冗長に感じてしまった。