真夜中

メタルヘッドの真夜中のネタバレレビュー・内容・結末

メタルヘッド(2010年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

弱い主人公が突如現れた奇異な存在によって変わってゆくというテーマは、言うなれば”過激なドラえもん”。
確かにこの映画にはドラえもんやのび太くんやジャイアンやしずかちゃんにあたるキャラクターが出てきますが、
この映画のドラえもん=ヘッシャーが決してオールマイティな存在ではないところがポイント。
予測不可能なヘッシャーの行動は不器用で破天荒ですが、母親を亡くし悲しみに沈む家族を時には助け、時に突き放し、
彼らの心や絆を徐々に解き放ち再生に導いて行きます。
と同時にヘッシャー自信もそんな家族の姿を目の当たりにし、成長して行くのです。
祖母の葬式でのヘッシャーの演説は大笑いしながらもホロリとさせられる下品で最低で最高のシーンです。
ラストシーンやヘッシャーの正体はいろいろと解釈の余地がありそうですが、
玄関に置かれた車のスクラップ、そして屋根の上のメッセージから考えるに
自分的には死んだ母親の魂がヘッシャーとして現れたのではないかと解釈しています。
母親は自分の死を受け入れ、残された家族もまた彼女の死を受け入れる。
それぞれが新たな一歩を踏み出すような爽快感あふれるラストはとても感動的です。
しかしこの邦題はさすがにどうかと思うな。
真夜中

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