このレビューはネタバレを含みます
夏になるとナチスを扱う作品が殊更に増え、テーマとしては決して風化させてはいけない話であるものの、新しい作品と捉えるならば、かなり食傷的なテーマとはなる。
ただ本作はある意味一つの、「ひまわり」であり、
ナチスというより、ひどすぎる環境を彼女という心の支えで、そのためには同胞の悪魔にもなるという悲しさがなんとも味わい深く、最後の余韻はしばらく胸に残った。
展開は、過去と現代を行ったり来たりする内容なのだが、過去並に現代もガッツリ描くので、観客が観たいのはタイトルにもある通り過去のナチスの部分なのだから、現代編はもっと削って、行ったり来たりしないで一気貫通で見せてほしかったなと思う。
まあ作品の質自体は高いものでもないが、内容が胸に刺さってしまい、割と好きな作品でした。