綾辻安吾

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーの綾辻安吾のレビュー・感想・評価

3.0
マリオが生まれた、1985年生の僕は、マリオ直撃世代。
マリオと共に生き、マリオと育ち、マリオと別れ。
また再会する。

髭の小太りのオッサンだと思っていたら、どうやらマリオは青年らしい。

最新のフルCGで動くマリオが観られるだけでも嬉しいし
吹き替えしかなかったから吹き替えで観たものの大きな違和感はない。(宮野真守は正直あってないが)

たまに2次元的な演出(ゲーム画面)にしてパルクールみたいになるのもニヤニヤさせられる。

ただ全体的に言えることだが、ギャグ、コメディが面白くない。
マリオは可愛いし、ルイージが可愛いのだから無理やりなコメディがいるのだろうか?
序盤の犬との大立ち回りなんて最たるもので、さっさと次いけよ、、、としか思えない退屈さ。

この辺がお話が面白くないと言われた原因な気がする
全体的な台詞回しも微妙。

さっき言ったようなゲーム画面になったりする演出はいいのだが

懐かしの洋楽を流したアクションシーンなど、マリオとどう考えてもマッチしていない演出も目立つので、監督5人くらいおるんか?と思うほど作品内でのイイトコとワルイトコの差が目立つ。

予告編から危惧していたピーチ姫のキャラ変更もやはり作品の質を低下させる要因となっており
無駄にアクションが出来る攻撃的で強いピーチ姫には

じゃあ、ドンキーコングもマリオもいらなくね???

と思うほど。
命がけでキノコ王国を守るお姫様というわりには絶対に「女性」という武器は使わない。
最終的にクッパに勝てる武器は武力ではなく「性別」だけだと思うのだが?
一番違和感があったのが、マリオに対してほっぺにチューすらもないという
ポリコレここにあり!という感じがマリオと乖離している。
ほっぺにチューは性的な意味ではなく、ゲームにあったのだからおかしくはない。

キノピオやクッパ、ドンキーコングは原作を超える素晴らしさと色付け。
この映画を観てドンキーコングを好きにならない人はいないんじゃないだろうか。

クッパの暴力性と幼稚性、純粋で誰よりも人間らしいところが可愛いしそこが怖くてかっこよい。

小ネタもふんだんで、マリオは誰でも一度は触っていて、知らない人はいないヒーローなので

話が面白くなくても、キャラのパワーだけでもたせるだけの力がある。

シン仮面ライダーと似たような印象を持ったが、最後のカタルシスは圧倒的にマリオのほうが強かったので、新旧ヒーロー映画対決は

マリオの勝ち。
綾辻安吾

綾辻安吾