もちもち

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのもちもちのレビュー・感想・評価

4.0
ニューヨークで配管工を営むマリオとルイージの兄弟は、謎の土管に吸い込まれ、魔法に満ちた世界へ迷い込む。離れ離れになったルイージを救い、ピーチ姫とキノコ王国を守るため、マリオはクッパ大王へ戦いを挑む。マリオの世界をハイクオリティでアニメ化したイルミネーション制作のエンタメムービー。批評家からは酷評、観客からは大絶賛というのがまさしくこの映画を象徴している。ストーリーは単調、ツッコミどころ満載でお世辞にも面白いとは言えない。もしマリオというゲーム、そのコンテンツを一切知らない人が見ればつまらない作品だと思う。ただマリオをプレイしたことのある人ならば、その世界観の細かな作り込みや忠実な表現に夢中になることは間違いない。まさしくゲームの中に飛び込んだような作品で、「マリオというゲームの映画」として見れば、素晴らしい作品でもある。最近ディズニー映画などにもありがちな社会問題や風刺をテーマに入れ込むこともなく、ある意味無駄なことをせずにまっすぐシンプルに作られている。個人的にはそういう部分が何かしらある方が好きなので、最高に面白いとは思えなかったが、観客に受けている理由は十分に理解できる。コメディタッチな部分を中心にしつつもそこに振りすぎず、ゲームっぽさを随所に上手く融合させている。スーパーマリオブラザーズやマリオカートをそのまま映像化したシーンをはじめ、全編通してクオリティが高く、こういう映画にありがちなキャラクターのビジュアルや性格、世界観などへの違和感というものもない。モブキャラやゲームに出てくる数々のアイテム、それを活かした展開や細かな演出、マリオへの愛とこだわりがたくさん見てとれる。音楽や効果音もゲームのものを上手くアレンジしながら取り込んでいるし、自分が気づいていないイースターエッグもたくさんあるだろう。マリオのゲームが好きな人にとってはとことん楽しめる内容になっている。映画として楽しかったというよりはUSJのマリオのアトラクションに乗った時の楽しさに近い。
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