アキラナウェイ

サイレント・ナイトのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

サイレント・ナイト(2021年製作の映画)
3.9
「ジョジョ・ラビット」公開当時、11歳で映画デビューを飾ったローマン・グリフィン・デイヴィスくんが出ているとの事で気になっていた作品。

人類最後のメリー・クリスマス。

クリスマスの日。ネル(キーラ・ナイトレイ)とサイモン(マシュー・グード)夫妻は親しい友人達を招き、パーティーの準備に大忙し。毎年恒例の光景だが、今年は違う。ロシアが散布する猛毒ガスにより、人類滅亡の時が刻一刻と迫っていた—— 。

一見するとクリスマス・コメディ風でありながら、中盤以降は静かに死が迫るディザスタームービーへと表情を変える展開が良い。

キーラ・ナイトレイ
マシュー・グード
アナベル・ウォーリス
リリー=ローズ・デップ

割とキャストも豪華で画面映えする方々が揃っている。学生時代の同級生6人とその子供達が集まっているという設定で、大人達も子供達も時折ギクシャクする瞬間もあり、イギリス産のブラックコメディとして楽しめる。

猛毒ガスを吸い込めば、身体中の穴という穴から血が流れ、苦しみながら死んでいく。政府が提唱するのは苦しまずに死ぬ事が出来るピル。

パーティーに参加している多くがピルを飲む覚悟で集まっているが、アート(ローマン・グリフィン・デイヴィス)だけは、納得出来ず、大人達に疑問をぶつける。

「もし間違っていたら…?」

何もかも政府の言いなり。
それが果たして正しい選択なのか。

これは非常に考えさせられた。

だって、我が国ニッポンも随分と政府の言いなりでハズレくじばかり引かされているじゃないか。

ピルで自死する選択をした者達を目撃したアートの慟哭。各自がピルを飲み、家族や夫婦でベッドに横たわり死を待つまでの時間。派手な展開は然程ないが、静かな中にもきちんと魅せてくれるシーンがある。

そして、
ラストシーンのあの瞬間。

個人的には好きな終わり方。

フィルマの評価が意外と低いけど、僕は好き。イギリス英語も堪能出来るしね。