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オマージュのwildcatsのネタバレレビュー・内容・結末

オマージュ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

TIFF10本目

なぜかわからないけど、すごくほっこりした気分になれた作品。

売れない中年映画監督が、経年劣化した韓国初の女性監督の作品『女判事』を修復することになり奔走する話。

当時の超男性優位社会の中で”女性”映画監督として残された作品について調べるうちに、バックグラウンドではさまざまな心労があったに違いないと思わせる。修復を進める中で不自然に編集されたシーンの理由を主人公が調査するも、昔すぎて超難航。やっと掴めた理由が、”女性が喫煙するシーンだから”とのこと…。
しかし、理由を知った主人公も、観ている側の私も「は?!それだけ?!信じられない!」とはならず、「あー、なるほどね」と納得ではないものの、すんなり理解はできた。
結局は昔も今も根本的なところは変わってない。世の中は変わろうとしているけど、表面だけで終わらせて欲しくない。”歴史は犠牲の上に成り立っている”とよく言われるが、現代においてその犠牲はどれほどの糧になっているんだろう。社会におけるジェンダーフリーはまだまだ遠い気がした。

私生活では妻であり母である主人公に、夫や息子から放たれる男性優位的な発言も数々あるけれど、大きく反発することもなく日々を過ごしている。けど、オンマ大好きな息子や、憎まれ口を叩きながらもさり気ない気遣いをしてくれる夫とのやりとりもなんだか微笑ましかった。

主人公が子宮筋腫で子宮摘出を言い渡され、ショックを受けた時、若い男性医師が言った言葉は、女性は子供を産む為だけに生きてると言わんばかりで、ふざけるなと思ってしまった。しかし、そのシーンで劇場内に笑い声が起こったのがなんとも…🤔ここで笑えた人は、この作品をどう捉えたのだろう?

修復した『女判事』という作品に、今後の社会に対し多くの希望を込めて黙々と作業に勤しむ主人公の姿はとても幸せに見えた😌

あーこんな長文レビュー初めてかも😳
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