“失われたものへのオマージュ”
ヒット作に恵まれない女性映画監督のジワン
仕事と家庭との両立もままならず、ストレスから健康を害してしまうという、まさに人生の手詰まり状態
そんな彼女にある女性映画監督の過去作品の修復の仕事が舞い込む
当初は失われた音声の再録音だけだと思っていたところ、フィルム自身に欠落した部分があることがわかり…
失われたフィルムを探すためにジワンが当時この作品に関わった人たちと会い、映画に対する愛情や思いを聞いていくことで人生の再生へと向かうお話
フィルムの編集シーン
経営危機に瀕した老舗映画館
最近、映画をテーマにした作品でも観た設定が本作にも登場しますが、それらの作品とはまた違ったアプローチの作品だと思います
それは既に失われてしまい後世に伝わっていないものの中にも様々な愛情や思いがあり今に受け継がれているということ
そして映画業界に関わった女性達に限らない当時の女性達の生きづらさ
そんなテーマを『パラサイト』であの家政婦役を演じたイ・ジョンウンがとても自然に、そしてリアリティをもって演じています
それはまるでドキュメンタリーを観ているかのよう
夫役のクォン・ヘヒョ
息子役のタン・ジュサン
もとても良かった
さらに映像的にとても印象的なカットも多くそれも楽しめました
一見最近流行りの映画をテーマにした作品のように見えますが、仕事を持つ女性の生きづらさを描きながら、それを支えてくれるのは家族を含めた周囲の人たちだけでなく、先人達の思いだということを伝えてくれる作品でした
p.s.
韓国映画はあまり観ないのですが、今回はポスタービジュアルのみに惹かれての観賞😅