しん

世界、北半球のしんのレビュー・感想・評価

世界、北半球(2021年製作の映画)
3.0
東京国際映画祭にて鑑賞。前提知識がかなり要求される作品だった。たぶんイラン・イラク戦争の傷跡と疲弊した官僚制、封建的な結婚など、「北半球」に位置するイランの旧態依然とした負の側面が全面に出ています。ただ、特に前半はイランやイスラームに関する知識がないと、何をやっているのか理解するのが難しいかなと思います。

しかし見終わったあとに振り返ると、淡々と流れる本作の色調が、イランの変えがたい封建制と物悲しさを意味しているのではないかと思えてきます。「北半球」というとリベラルな先進国が位置する地域のイメージがありますが、もちろんそれだけではありません。

タイトルとテイストと問題点が終わったあとの振り返りで合流する、なかなか面白い作品でした。
しん

しん