ラグナロクの足音

ムリナのラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

ムリナ(2021年製作の映画)
4.1
ギリシア映画なのにさりげなく製作総指揮にマーティンスコセッシ入っててわろた。典型的な娘による父親殺しの話だが、ムリナ(=ウツボ)というメタファーが巧く機能し、大海原にポツンと生きる(生け捕りにされている)少女の心情を見事にスクリーンに映し出していた。脚本のみならずキャスト陣も文句なしで素晴らしい。特に主演のグラシヤ・フィリポビッチの演技には度肝を抜かれた。クライマックス、父親の懲りない台詞に対して矢を放つ彼女の空虚な犯行、悉く自然体で表現されていた。てか、あの最後の空撮は一体どうやって撮ったんだ?久々に唸ったエンディングであった。2021年度東京国際映画祭のマイベスト。
ラグナロクの足音

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