爆裂BOX

レギオンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

レギオン(2010年製作の映画)
3.9
モハベ砂漠に寂しく佇む一軒のダイナーを訪れた老婆が突如化物に変身し店は大混乱に。そこへミカエルと名乗る男が大量の武器と共に現れる。彼は、人類を見限った神が恐るべき天使軍団「レギオン」を送り込んできたことを告げる…というストーリー。
予告を見た時から気になっていた作品で結構評判よくないですが、楽しめました。
神が人間を見放し、天使が人類を絶滅させようと襲ってくるというスケールの大きい世界観の割に始終砂漠のダイナーの中が舞台というスケールの小ささが不評のようですが、個人的にはこういう篭城して怪物と戦う話は大好きなので全然OKでした。ラジオで世界の状況を知らせるという手段も好みです。
天使に乗り移られた人間がゾンビになって襲ってくるのもゾンビ映画好きとしては楽しめました。予告でも目立っていた最初の天井這い回る婆さんとアイスクリーム屋はやっぱりインパクトありました。アッサリ倒されたのは残念でしたが。でもチョイ役でも強烈なインパクト残すダグ・ジョーンズは流石。後半の子供は不気味でした。次々と集結してくる車群をマシンガンなどの銃火器やロケットランチャーで吹っ飛ばしたりクラッシュさせていくシーンは見応えありました。集まってくるゾンビ達を撃ち倒すシーンはほぼ棒立ち状態で撃ち倒されるのがちょっと物足りないかな。
ミカエルを演じたポール・ベタニーはクールでかっこよかったですね~。そのダークヒーローぶりは何処と無くカーペンター臭がしました。
ミカエルとガブリエルの天使同士のバトルも鋼鉄の羽で弾丸を弾いたり、羽で切り裂いたり、トゲのついたハンマーで攻撃したりと漫画的で楽しめました。バク転で避けたりする所もカッコよかったなぁ。「スーパー・ナチュラル」もそうですけど最後はやっぱり殴り合いになるんですね(笑)
オチはちょっと微妙ですね。てか、神様は身勝手で面倒臭いやつだなぁ(笑)人間を責める権利ないんじゃないかな(笑)ガブリエルが一番可哀想だった気がします。忠実に命令守ったのに「そうじゃないんだよ。命令に逆らっても慈悲の心や御心に従うのが正しいんだよ」って言われて失望されるとか可哀想すぎでしょ。そんな可哀想なガブリエルを演じたケヴィン・デュラントが店に現れるシーンは結構迫力ありました。ミカエルの説得に心動かされたような表情や、ミカエル倒した時に涙流すシーンなど冷徹な敵という訳じゃなく、人間くささ感じられる所は良かった。
ルーカス・ブラックは最初地味で頼りなげな感じだけど、中盤からは活躍し始めましたね。チャーリーに「いつまでも自分を憐れむのはやめろ」とはっきり言う所はカッコよかった。元ギャング?で子供の親権の為にLA向ってて巻き込まれるタイリース・ギブソンとは「ワイルド・スピード」仲間ですな。
見る作品に最近よく出てるエイドリアンヌ・パリッキは自お腹の子が人類の救世主と言われる妊娠中のウェイトレス役ですが、終盤の心変わりはちょっと唐突だったかな。
デニス・クエイドとチャールズ・S・ダットンは流石の名演で存在感ありました。特にクエイドは負け犬人生を歩んできた親父役がハマってました。最後の「悪いな、店じまいだ」の捨て台詞と自爆にはグッと来ました。
車の故障で立ち寄った家族連れの娘オードリーがちょっとエロくて良かったですね。割と頑張ってたのに最後地味にアッサリ死んじゃったな。
指摘されているようにオープニングやエンディング、設定は「ターミネーター」と似てますね。
B級ホラー・アクションと割りきれば小難しい事考える必要もなく楽しんで見れる作品です。