雨宮はな

神ミタイナ時間の雨宮はなのレビュー・感想・評価

神ミタイナ時間(2021年製作の映画)
2.0
舞台演劇の映像化作品。『#劇場版‗神ミタイナ時間』と名付けたほうが保険が利くかも。

舞台役者による映画と聞いて、昨年の『#ディープロジック』を思い出した。あちらは完全オリジナルだし、制作に至った経緯もジャンルも何もかもが違うが気になるのは同じ点で「舞台役者に映像演技ができるのか」だった。
身もふたもない言い方になるけど、「人による」ってところが結論。
映像で活躍しているキャストさんも出演されていてその人は最初から違和感なく観ていられた。
他のキャストに関しても観ているうちに気にならなくなった。
舞台を観慣れている人のほうが違和感なく観ていられるかもしれない。

物語は「スケールを大きく広げたにしては結末を迎えるために駆け足になり、手法が乱暴だなと感じる」ものだった。
たぶん、小説で一冊用意する必要があって、それを劇場版として制作したらこんな感じになるんだろうというまとめ方。
これ、舞台でどう表現するんだろう…。(最近まで上演してたみたいだけど)
場面転換が結構多いうえに、時代転換も多い。で、情報量も多い。
人物設定に頼り切った推理的なパートがあるけど、推理っていうか自分達が知る上での希望的観測に基づいた推測って感じで行動原理にするには無謀だと感じた。
「悪を暴くぞ!証拠集めたぞー!」な展開だったけど証拠とするにはだいぶ薄くて危ういレベルに思えたし、死の真相を明らかにして悪を裁きたいのか、腐っていたところから立ち直る主人公を描きたいのかどっちつかずな印象だった。
タイトルもこじつけに感じたし、「神」を意識するタイミングが現実パートにはなかったように思う。

主人公の現相方が振り回され続けてかわいそう、というのが一番の印象だった。
彼はお笑いに大真面目なだけなのに。
雨宮はな

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