Tetsuya

オッペンハイマーのTetsuyaのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
「簡単に答えは出ない、ただ問いかけたかった」
クリストファー・ノーラン監督初の伝記映画。

ノーラン監督の作品と他の映画作品との決定的違いは、後者が映画を観終わることにより、その映画がもたらす感動が完結しているのに対して、ノーラン作品は映画を見終わった後からその作品の問いかけや問題提起により観客の思考が始まる点であると、NHKのクローズアップ現代、クリストファーノーラン監督特集の中で、海外の映画評論家が語っていたことが印象に残っています。

原子爆弾を開発し、日本をポツダム宣言受諾へと追い込んだという点ではアメリカ国民からしてみれば戦争を終わらせた英雄なんだけど、人類の未来にとって核兵器という怪物の存在を必然化してしまったという負の側面もある。。。
「ダークナイト」も人間の光と闇を描いた作品ですが、この「オッペンハイマー」も人間の2局面的苦悩を描いた作品。

そして原子爆弾開発の裏でざまざまな人物の利害や心情が絡み合う様がまぁ緻密。
研究に取り組む経緯(〜1945年)、スパイ容疑を受けた彼の機密保持許可をめぐる聴聞会(1954年)、アメリカ原子力委員会委員長、ルイス・ストローズの公聴会(1959年)と言う3つの時系列が交錯する形で展開するストーリー。
戻ってから本作の関連記事を読んで理解しましたが、観てる時は途中から追いつかなくなってオッペンハイマーさんの心情の変化に的を絞って観てました。
かといって、難解なテーマの映画かということではなくて、言いたい事はラストシーン観ればよく分かります。

見終わってエンドロールを見ながらいろんなことを考える映画です。まさに見終わった後から思考が始まる感じ。

わたし的に名脇役としての印象が強いキリアン・マーフィーさんがついに主演。おまけにアカデミー主演男優賞も受賞と素晴らしかった。✨
あとT-REX劇場で観たので爆発音のリアルさにびっくりでした💥w
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