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オッペンハイマーのlのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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観終わった後、すごいものを見た、と圧倒された。
壮大な歴史の一場面を体験した、という感じ。

研究の中で、原子爆弾の恐ろしさは誰もが考えていたと思うけれど、あの時代の状況の中で研究を進める以外の選択肢がなかったというのが、私にとって大きな気づきだった。

トリニティ実験の場面では、その場にいるような緊張を感じ、成功の瞬間には圧倒され、息を呑んだ。私が成功の瞬間を実際に目にしていたら、実験成功の安堵もあるけれど、それ以上になんて恐ろしいものを作ってしまったんだ、という恐怖が来ると思った。でも、映っている科学者たちはみんな心から感動し喜んでいるように見えて、その姿があまりにも純粋だった。これから起こる悲劇、始まってしまった新しい世界のことを考えると、その純粋さが哀しくて、恐ろしくて、涙が出た。

原子爆弾を作る人と使う人が違う、というのも酷い事実だった。科学者たちは純粋に、誠実に研究に向き合い、祖国へ尽くしたというのに、時代の流れや政治問題、人の悪意に巻き込まれてしまうのはとても悲しく残酷なことだと思う。

登場人物の関係や場面の状況など理解が追いつかなくなってしまったところもあったので、絶対にもう一度観たい。
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