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怒りのlのネタバレレビュー・内容・結末

怒り(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

役者さんたちの演技が素晴らしかった。
人間にはたくさんの感情があって、出会わないまま、知らないままで終わる感情や、理解できない誰かの感情もあるんだろうと思った。
辰哉の、「本気っていうのを伝えるのが一番難しいんだよね」というセリフがすごく心に刺さった。本気の怒りを訴えても届かず、さらにどす黒い怒り、悲しみがお腹のそこに溜まっていく感覚が分かる気がした。
田中さんがよく分からなかった。本当は優しい人なんじゃないかと思うけど、抱える怒りや悲しみが大きすぎて、溢れ出る感情を制御しきれなかったのかな。動機も恐ろしい、素直に人に親切にすることもできなくなる…。というか、動機とか犯行の話を聞いていると犯人が田中さんだと言われてもしっくりこなかった。
「ウケる」っていうのも、それが面白かったという意味じゃなくて、助けられなかった自分やどうすることもできない事実に対して怒りを超えた、諦めのような感情だったのかなと思う。
あと、綾野剛さんってこんな繊細な演技をする人だったんだ。直人、悲しい。愛する人を信じ抜くことは、実は難しいことなのかもしれない。
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