このレビューはネタバレを含みます
日本に生まれた者として、身に染みて感じる恐怖があった。実験の成功や広島長崎への投下を皆が歓喜するシーンは、めちゃくちゃ人が死んだことと対比するとすごい不気味だった。
原爆を落とす候補地12都市、いや京都を除いて11都市、というやり取りも生々しくて、もし何かが違って祖父母が犠牲になっていたら、自分は存在しなかったのか…と震えた。
重厚な効果音や膨大なカット数、細かい仕掛け、複雑な人間関係や罪悪感の表現も、さすがなんだけど、結局、原爆は平和への抑止力にはならず、今度はロシアが核兵器を作り出し、条約はあるけど100%誰も使わないとは言い切れない、そういう今日に生きているわけで、「おもしろかったね〜」とか呑気に言ってる場合なのか、分からなくなってしまいましたよ。