アイアンアメリカン

オッペンハイマーのアイアンアメリカンのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

登場人物が多く、内容も複雑で難しいため、上映中着いて行けない部分が多かったが、それでも『何が起こっているかわからないけど目が離せない』映画体験でした。

テネットの時も同じような感覚を覚えました。
迫力のある映像で『これ何が起きてるの!?すごい』だったのに対してオッペンハイマーは会話劇でそれを感じさせる見せ方が上手い映画。

印象に残ったシーン
◆トリニティ実験
爆発より、カウントダウンの方が怖かった。この実験が成功したら確実に世界が変わってしまう。

◆公聴会でのセックスシーン
オッペンハイマーが狭い部屋で詰められている
。真剣なシーンで大人たちが揃う中、急にオッペンが脱ぎ出し始めたと思ったら、次のシーンで過去の女性とのセックスが始まる(本妻を睨みつけながら)
公聴会の静とセックスの動の対比がとてつもない。こんな感情初めてです。

◆祝賀会で苦しむ人々
オッペンハイマーが称賛され、お祝いムードのパーティのはずが、村人たちはどこか苦しそうに見える。ここで原爆の被害に遭った人たちのメタファーを入れてくるの絶妙過ぎる。
祝いの席なんだけども、当人はどこか浮世離れしていて、とんでもないものを作ってしまったという心理が見える。

◆時間差の爆風と時間差の喝采
式典での拍手がオッペンハイマーには届かず、それが束となって、爆発のように時間差でドカンと耳に焼き付く。