黄色いレンガ道

オッペンハイマーの黄色いレンガ道のネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

35mmフィルム版で鑑賞。
柔らかい色味と輪郭、時々現れる黒いキズ。作中の時代ともマッチしてて味わい深かった。
(IMAX版も観て比較したかったけど、とっくに他作品にスクリーン取られてて時すでに遅しだった)

ずーっと喋ってるしずーっと劇伴流れててウルセー映画だな!!てのが第一印象。
でもそこが「天才科学者の脳みそって常にこんなに情報が入ってくるのかな」「常にプレッシャーが付き纏うってこんな感覚なのかな」となり、没入感の意味が分かった気がする。

広島長崎の描写うんぬんっていう意見に関しては、あくまでもオッペンハイマーの伝記であり彼主観の映画だから違和感なかった。むしろ(期待薄で観たから)想像以上に描かれてたと感じた。

核廃絶への訴えを目的とするならば、落とされた側の被害を強調したほうが説得力はあると思う。けど被爆地に住んでるとなかなか得られない価値観... 戦争を終わらせた兵器だと英雄視する当時のアメリカや、科学者としての好奇心と罪悪感に揺れるオッペンハイマー個人を知ることができたのは意義があった。

でもそもそもこの映画が焦点を当てたテーマは核廃絶への訴えではないし、むしろ科学者の夢が戦争に利用されることへの警鐘というか、現代も身の回りにそれが起きてて取り返しのつかないところまできてることに気付かされてゾッとした。

前知識を入れた状態で鑑賞したら(会話はムズくて理解できないが)ストーリー展開にはなんとか付いていけた。
やっぱノーラン監督苦手だな〜と思ったけど、他作品にチャレンジする気が起きてきた。