このレビューはネタバレを含みます
やっぱり人の承認欲求って、良心さえもどこかへ吹き飛ばしてしまうものなのだなと実感。
原爆が出来、それが広島や長崎に投下される迄は非常にドラマチックで興味深かった。
科学という、世界や地球全てを揺るがす脅威的な力。
そして、ひれ伏したくなるような威力の大きさ。
それらに着眼すれば、面白かったという感想になる。
オッペンくん自身は、さも「政治家や上の指示には逆らえずに、あれよあれよという間に打ち上げられる他なかった。」みたいな顔をしているけれど、間違いなくあれは彼のプライドがそうさせたものだ。
だって止められたはず。
だけど、あえてしなかった。
自分の実力を確かめてみたかったはず。
少し歩み寄るとすれば、もう止められるような規模ではなかった。
人の好奇心や、何かに固執する姿勢が奇跡的な発見を導くこともあれば、こんな破滅的な結果ですら齎す。
セックスシーンはオッペンくんの自責する心を描く為には、大人のエッセンスとしてあっても良かったとは思うけれど、
これがある事で子供たちが観るのを憚られるのは非常に惜しい。
科学って魔法にも殺人兵器にもなることは十分に伝わるシナリオだったと思う。
ただ、終盤の裁判に掛けられる辺りから、物語のインパクトや没入感からすると失速してしまった印象。
アインシュタインやヒトラー、マッカーサー
殆どの人が耳にしたことのある人物が関わっており、どんな立ち位置でどんなキャラクター性だったのかが垣間見えた点も楽しかった。
映画館で観たから迫力のある音響のどっかんどっかんが効いていて良かった。