しばふ

オッペンハイマーのしばふのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

最初にりんごに青酸カリ入れるシーン
教授がいつ食べるのかとハラハラして話が頭に入ってこなかったところから、オッペンハイマーの感情を私達も体験していくんだなと思った。
ラビが300年の科学の結晶をこんな事に使って良いのかと目頭抑えてたところがグッときた。
ジーンがヒステリックやなぁと思ったら心の病気だった。花束要らないって言ってるのにいつも持ってくるところに逆に愛情を感じた。
自死したことをキティに語るシーンの黒い手はオッペンハイマーの自責の念かな。
それを聞いたキティの返しがまた良かった。しっかりしなさいって。
大変な事を共に乗り越えた大人な関係ってかっこいいな。
あのジーンとの不貞を証言させられるシーン、不貞が公になった事に対してキティは怒ってたけど、その気持ち半分、夫の口から聞いた生々しさ半分で怒ったのかなと思った。あの幻視は辛いものがあった。
ヒル博士を蔑ろにしがちなオッペンハイマーだったけど絵力がありすぎたヒル博士。
第二のストローズになりかねないが、彼は違った。正しく物事を見て証言してくれた。
アルベルトとオッピーが2人で自分の事を話してたんだと思っていたストローズの傲慢で自意識の高さ、それに対しもっと重要な事を話してたんでは?って言われちゃうとこ。
プロメテウスになってしまったオッピーの苦悩。科学者達の葛藤。科学と国の関わり方。フローレンス・ビューの裸。オッペンハイマーの瞳の綺麗さ。マンハッタン計画が進むにつれて毒入りりんごの取り返しのつかなさをずっと突きつけられてる感覚。
最後の、許される時が来たとみんなに祝福される時がくるが、それは君のためじゃなくみんなが納得するため、ってやつ。そうだなぁって思った。あのシーンで印象的に握手したりしてたのは辛いときにそばに居なかった人達だった。キティさすがに唾吐かなかった。
凡人で良かった…と思いながらIMAXを後にした。
やっぱりノーラン映画はIMAXに限る、ね!
しばふ

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