Ron

オッペンハイマーのRonのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.5
クリストファーノーラン監督は難解映画で知られているが今回はカラーと白黒で物語が異なり時系列が交差するところ、登場人物がかなり多いところ、科学的用語や専門用語が難しい点だと思います。
そしてとにかくセリフが多く3時間喋りっぱなしの映画なのに早口でサササッと進むので、置いてかれるし、これってどういう事なんだろう?と少し考えたら終わり、もう話が遠くまで行ってます。

3時間見終えた時は、おーん。なんか凄いけど1ミリも何もわからなかった。もしかしたら今回ハズレかもな。と思いました。会話ばかりでベラベラよくわからない事話してて単調だしキャラも沢山いるし何が起こってるのか全くわからんまま終わっちった。って。

でもノーラン作品何度も見てたらわかりますが最初はそれで良くて。そのあと考察や解説を見始めたら、うわぁぁ!!そういう事か!!めっちゃなるほどなんだけど!!と、こうなるのが快感なんですよね。バカな私でも解説見てほぼ理解出来ました。一回見て終わりではなく考察、解説ありきの作品であり、それをまた見てさらに理解して…めっちゃスルメ映画です。

端的に、原爆を作ったオッペンハイマーの苦悩や葛藤や人間性を人生を描いた映画です。

印象深かったのはまずアインシュタイン!可愛すぎるし、革新的な名言を話してくれる。

オッペンハイマーが目をバチって開くシーンと、ラスト、オッペンハイマーが目を閉じるシーンが繋がるの後から知ってゾワゾワした。

しかもアインシュタインに核兵器について相談していてこれから起こる最悪な事をそこで予測出来ちゃってそこから目を背けたいがために目を閉じた終わりがマジで秀逸な作りすぎて…。

あとオッペンハイマーが賞を受賞した際、大統領との握手で妻のキティが断固として握手を拒否、睨みを効かしてるシーン、強い意思の女すぎた…!

足ダンダン!みたいな音が結構うるさくてドキドキしました。
波や星?みたいな情景のはいまだによくわかってません。

そしてまさかのケネディ大統領がストローズに否定票の決定票を入れたの見る目あるんだね。

原子爆弾が落とされてアメリカはしてやったり!ウェーイ!ってなってる中、日本は大変な事になってるのやっぱりこの格差が心痛む。だけど私はアメリカが何度か降伏してって言ってんのに、絶対負けるのに、俺達は負けない!と強情張ってる日本、日本の指導者が悪いと思うので仕方ない結果だと思ってます。
それはアメリカも同じでオッペンハイマーは原爆を作り上げただけで、原爆投下はあまり乗り気じゃ無いように見えたし水爆なんかさらに乗り気じゃなかったので、ただモノを作っただけの人で、ウキウキになってた大統領やその周りの決定権のある偉い人達が悪いと私は思いました。現にオッペンハイマーは投下した後精神が参ってたが、周りの偉い人達はニヤついて誇らしげで何も悪ぶれて無いですよね。
オッペンハイマーも原爆なんか最初から作らなければよかったという考えもあります、湧き上がる好奇心が抑えきれなかったのも悪いし、途中でまずいもの作ってるって自覚があったのにそのあと完全に振り切って黒い服きて心を闇に沈めた?みたいな描写になってしまったのでそこは結局大統領の考えと同罪かなって。
あとストローズの思い込みの激しさと勘違いぶりには呆れました。


【自分が忘れないように簡単な起承転結】
オッペンハイマーは昔から頭がよく大学を飛び級するほど。ですがリンゴに毒を持ったり女性関係が淫らで難ありな人物。色々な物理学者にも出会い量子物理学者に。色んな人間と出会う中で資本主義ではなく共産党を支持する人間も周りにいます。そんな中核兵器をドイツよりも早く作り世界的に優位に立つため、マンハッタン計画を始める。また原爆を作っている時、水爆という原爆より強い核を作りたい話を仲間に持ちかけられるが地球がチリになる爆弾のため却下。ドイツが降伏したので原爆を作る意味が無くなったが、いつまでも降伏しない日本に落として知らしめ戦争を終わらせるという目的を変更。実験にも成功し広島長崎に原爆投下。日本が降伏した事でオッペンハイマーは英雄と称されアメリカは勝ったと皆大騒ぎの大喜び。アメリカでは水爆の開発が始まる。ロシアでは原爆実験が成功した噂が出回り原爆開発をしていたチームにロシアのスパイがいるという話の流れによりオッペンハイマーを恨んでたストローズが密告。オッペンハイマーには不利すぎる仕組まれた聴聞会が開かれ共産党の人間と親密であった事や人間性、女性関係まで全て丸裸にされた上で社会から追放された。時は立ちストローズは米国商務長官任命で公聴会が開かれ有利な証言がされていく中1人の科学者がストローズの傲慢で卑劣な人間性やオッペンハイマーを作為的に陥れた過去を暴露し、ストローズは前代未聞の商務長官を拒否され赤っ恥をかかされた。
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