コマミー

ノースマン 導かれし復讐者のコマミーのレビュー・感想・評価

3.8
【父の仇を取る…母を救い出す…フィヨルニルを殺す】



「ウィッチ」「ライトハウス」を作り出した鬼才"ロバート・エガース"が、シェイクスピアの「ハムレット」の元となった"ヴァイキング"達の物語を映像化。


凄い…今回も見事全身に、"運命が作り出した狂気"を浴びる事が出来た。
そして何よりも前作より"映像技術"が格段と上がっていた。そして今回ふんだんに使われていたのは、"閃光や火の光"を使った禍々しい特殊効果。これがこの雄しきヴァイキングの復讐の物語に神々しさを感じさせた。
A24時代に出来なかった事が今作では、まるで蛹の姿から蝶になって解き放たれたかのように開眼されていた。

そして本作にはあの"ビョーク"が"預言者"役として出演しているが、ちょこちょことした登場に関わらず、ちゃんと物語を進ませる為の重要な爪痕を残してくれるのだ。しかもこの預言者はビョークのハマり役になったのではないかと確信した。
そして"アレクサンダー・スカルスガルド"だ。「ターザンREBORN」だったりイベントだったりで散々見せてきた"筋肉"をここぞとばかりに見せつけてくる。世の筋肉大好きな女性にもオススメの一本なのではないか?
そして"アニャ・テイラー=ジョイ"。彼女もほんとこの世界観に合ってるし、今回は様々な映画に出てきた"主人公を支えるパートナー"の中で、アニャが演じた"オルガ"がたくましくて好きだ。

そして展開はすごいここも「ハムレット」そのものなのだが、それでも本作はものが違った。凄い"残酷"すぎて泣いたし、本当にアレクサンダーの演技がとてもすごかった。

一つ不満を言うと、やはり前作「ライトハウス」よりかは狂い具合が落ちたなと感じた。それでもこの雄大な世界観は、ロバートが描いた作品の中でダントツで高いだろう。

とにかく本作は劇場で観る価値はあると思いますよ?
コマミー

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